株式会社設立の流れ(原則、行政書士業務である)
設立前に決める事項
商号(会社名)
新会社法では、類似商号の規制が撤廃され、記号やアルファベットも使えるようになっています。
事業の目的
決定にあたっては、「適法性」「営利性」「具体性」「明確性」が求められます。ただし、「具体性」「明確性」については、商業登記法の関連で 、「会社目的の柔軟化」の方針が打ち出されています。また、事業目的によっては、会社設立後に官公庁の許認可、等を必要とするものがあります。
本店の所在地
具体的な番地を記載する方法としない方法とがあります。同じ市区町村内での「本店」の移転の可能性があるときは、株主総会の 特別決議による定款の変更を要しない後者の方法が便宜です。
資本金
新会社法では、いわゆる「資本金1円」での設立が可能となりましたが、開業後の会社の運営や金融機関や取引先などの対外的信用の面から、ある程度の資本金によりスタートしたほうが無難と言えます。
出資者(株主)の募集
設立方法には「発起設立」と「募集設立」とがありますが、募集設立の手続きは、銀行の払込金保管証明書が必要となるなど、手続きが煩雑で費用もかかるので 発起設立の方法が一般的です。
機関設計
会社の機関である役員には、代表取締役、取締役、監査役の他に、新会社法で新たに認められた「会計参与」があります。
新会社法は従来設置を強制されていた取締役会を設けずに、機関を簡素化、簡略化することを可能にし、機関設計の自由度を広げています。
事業年度
事業年度とは、会社が決算承認を得るために年度を区切った期間をいい、1年以下の期間で設定されています。
一般に3月期決算とする事例が多いが、これにこだわる必要はなく、ゆとりのある時期にした方が会計事務所とのコミュニケーションから
メリットのある場合もあります。
定款の作成と認証
定款の作成
定款の記載事項には必ず記載しなければならない目的・商号、等の「絶対的記載事項」と、記載することによりその内容が法的効力を生ずる
現物出資・設立費用、等「相対的記載事項」と、記載をしてもしなくともよい事項であるが記載することにより会社の内容が明確になり、株主への周知
により会社の運営をスムーズにする総会の招集時期・議長等の「任意的記載事項」とがある。
新会社法は、定款に記載することにより例外的な取扱いを許容する「定款自治の拡大」を非公開会社で多く認めている。
定款の認証
作成した定款は本店の所在地を管轄する法務局所属の公証人役場で、認証を受けます。
定款の認証を受けるために必要なものは以下のとおりです。
- (1) 定款3通
- (2) 発起人全員の印鑑証明書各1通
- (3) 収入印紙 4万円
- (4) 認証手数料 現金5万円+謄本交付手数料1,500円程度
出資金の払込みと役員の選任
出資金の払込み
出資金は登記申請手続きの完了まで金融機関に保管するのが一般であるが、従来添付書類に必要だった金融機関の保管証明に代わって、 「払込みがあったことを証する書面」と預金通帳のコピー等で足りることになり、設立費用の負担減となりました。
最初の役員の決定
発起人会で選任する方法と定款に記載して行う方法とがあり、簡便性と法的な安定性から、従来実務上行われていた後者の方法を新会社法は明文で認めている。
定款での取締役・監査役の選任にあたっては、就任承諾書を得ておく必要があり、これは設立登記申請時の添付書類となる。
最初の代表取締役の選任
取締役会のあるときは、取締役会で代表取締役を選任し、取締役会のない場合には、取締役の合議で代表取締役を選任でき、会社保存用と法務局提出用2通の議事録を作成する。
調査書の作成
取締役、選任されている場合の監査役は、(1)出資金についての払込み、(2)現物出資財産の価額の適正、等について調査書を作成する必要があり、法律・定款に違反する
事項や不当な事項については各出資者に報告する必要がある。
また、設立登記申請は、この調査完了の日から2週間以内になされる。
法務局への設立登記申請
登記完了後の各官公署への届出
税務署への届出
「法人設立届出書」「青色申告の承認申請書」「給与支払事務所等の開設届出書」等を作成して届け出る。
都道府県税事務所・市区町村への届出
「地方税」を納める必要があるので、事業開始届出書(法人設立届出書)を作成して提出する。
労働基準監督署への届出※
「適用事業報告」「労働保険関係成立届」や「就業規則届」等を提出する。
ハローワークへの届出※
「雇用保険適用事業所設置届」「雇用保険被保険者資格取得届」等が提出される。
また、求人のために「事業所登録シート」「求人申込書」等の記入がなされる。
年金事務所への届出※
社会保険への加入手続がなされる。
※:社会保険労務士の業務である
会社設立簡易フローチャート
